Author Archives: SLabo7uk

リハビリテーション科

人間の動作改善をリハビリテーション科

リハビリテーション科は何らかの事情により、患者の体の機能が正常に動作しなくなった場合に、もう一度動作できるよう改善するためのサポートをする診療科目です。現場には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によって機能改善を図ります。

身体面の動作に関する支援では、主に理学療法士と作業療法士が行います。

歳を重ねるごとに日常生活動作(ADL)に支障をきたしてしまうおそれがあります。歩く、座る、起き上がるなどの基本的動作の改善を理学療法士が担当します。

これらの基本的動作から日常生活におけるより上位の動作、お風呂に入る、手工芸、レクリエーション活動などを作業療法士が行います。

作業療法士は身体機能の改善の他に、うつ病を患ってしまった方や摂食障害などの患者の精神的なサポート業務も担うため、理学療法士と比較すると業務の対象範囲は広いといえます。

言語聴覚士では、話す、聞くなどの言語能力機能を改善するために患者のリハビリを支援。日常生活において、相手に発信することや相手の言っていることを受信する場面は必ず存在します。円滑なコミュニケーションができるよう言語聴覚士はサポートします。

発音練習や口回りの筋力トレーニングなど、対人コミュニケーションにおける機能改善を図る他、言葉以外で相手に伝える方法を考えます。また、食事をスムーズにできるよう、患者さんのリハビリも行っています。

国家資格をもつ療法士たちの現状

リハビリテーション科に所属する、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はすべて、国家資格の取得が必要とされる職業です。仕事では国が定めた一定以上の専門知識や、患者との円滑な接し方など、多くの知識・経験を求められます。

それだけ、専門性の高い人気の職業でもあります。

現在、理学療法士と作業療法士では年々資格取得者が増加しています。このような背景には、日本の高齢者人口が高いことも関連しているでしょう。

また、人と接する職業のため、社会貢献しているという実感が強く感じられます。
「ありがとう」と患者から感謝されるとその分仕事にやりがいを感じるスタッフは多いと思います。

言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士と比較してまだまだ人材は求められますが、リハビリにおいて、なくてはならない存在です。高齢者に限らず、失語症や伝音性難聴などの様々な悩みを抱えた人にアプローチする重要な職業です。

今後も増えると予想される理学療法士や作業療法士と同様に言語聴覚士の需要は途絶えることはないでしょう。

病理診断科

顕微鏡で病気を診断する病理診断科

病理診断科は、2007年の医療法改正で病理診断科を掲げてもよいと法律で規定されて誕生した診療科で、患者さんの病気について病理診断を行っています。
では、病理診断とはどのようなものなのでしょうか?

一般的には、病院に訪れた患者さんは医師の問診や触診、レントゲンや血液などのさまざまな検査をもとに、主治医が何の病気であるか診断します。
これを臨床診断と呼びます。

一方で、病理診断科が行っている病理診断は、患者さんの体に生じた異常を調べるために患部の細胞や組織を採取して標本を作り、これを顕微鏡で観察して何の病気であるかを解明します。
主治医による臨床診断と、病理医による病理診断という2つの車輪で患者さんの病気を突き詰めることで、より正しい病理の解明が可能となります。

病理診断科の主な仕事

病理診断は主に次の5つの診断が行われます。
第1は、細胞診断です。
痰や尿のほか、異変が予想される細胞を採取して標本を作り、これを診断します。

第2は、生検組織による診断です。
病気ではないかと疑われる箇所を、メスや針などを使って取り出したものから診断する方法です。
たとえば胃がんが疑われる患者さんに対しては、医師が胃カメラを使って胃の内部を観察しますが、ポリープなどの異常が見つかった場合、その部分の一部の組織を採取して、病理診断科の病理医に診断を依頼します。
このような組織を生検と呼んでおり、この診断を生検組織診断といいます。

第3は、手術で摘出された臓器や組織の診断です。
この診断では、摘出された臓器を調べます。
病理医は臓器の病変の位置や大きさ、状態等を確認し、必要な部分を採取して標本を作り、顕微鏡で調べて、がんの進行度や悪性の度合い、転移の可能性など今後の治療方針を決める参考となる診断を行います。

第4は、手術中に行われる診断です。
これは手術中に摘出した臓器などを、素早く観察して診断し、手術中に診断結果を報告する術中迅速病理診断を行います。
手術で摘出した臓器の断面にがん細胞が残っていたら、がんの再発リスクが高まります。
ですから確実にがん細胞を除去できているかを手術中に確認するために、数十分のうちに病理診断を行わなければいけません。
この診断によって、確実かつより少ない範囲の摘出で治療が行えるのです。
また、肝臓や卵巣など病巣が体の奥のほうにあって、実際にメスで内臓を見てみないと悪性腫瘍かどうか分からない場合に、がんである可能性を考慮して手術を行い、手術中に病変のある組織を採取して病理診断を行い、診断結果によって手術方針を決めるケースもあります。

第5は、解剖による診断です。
亡くなった患者さんに対して、生前に行った診断や治療が適切だったか、また病気がどの程度進行していたかを調査し、今後の医療に繋げるための病理解剖が行われることがあります。
このときの病理診断を担当します。

麻酔科

麻酔のプロ集団、麻酔科

麻酔科では主に、手術のときに患者さんに麻酔を行うのが業務です。
手術前から手術中、手術後にわたって患者さんの状態に合わせて適切な処置をする診療科です。
 
手術ではメスで体を切り開きます。
料理でも包丁の刃が指先にほんのわずか触れるだけで激痛が走ります。
体を切開してさまざまな処置を行う手術は、人の体に重大なショックを与えます。
激しい痛みとそれに伴う出血や、ショックによる身体反応が起こり、麻酔無しでの手術ではほとんどの人が苦しみで命を落としてしまいます。
このようなことにならないために麻酔科では、手術による痛みや苦しみを感じたり、急激な反応が起こったりしないように、麻酔で意識を失くす仕事を担当します。

手術中はメスによる処置の衝撃だけでなく、麻酔によっても体に大きな衝撃を与えています。
自然に眠る睡眠とは違い、麻酔は強烈な薬の作用によって人為的に意識を奪うのですから、生命を維持するための呼吸や血液などの循環、神経の活動などさまざまな身体機能の働きも鈍くなります。
極端な話ですが、麻酔の量を間違って投与すると、目覚めずに死んでしまうというリスクもあるのです。
特に全身麻酔には、そのようなリスクがつきまとっています。

このため手術中は、衰えた身体機能を補うために酸素吸入で呼吸を助けたり、血圧を一定に整えるための機械をつけたりして、患者さんの全身の管理を行いながら処置が進められます。
手術による人体への影響は、刻々と変化します。
麻酔医は、手術中は患者さんの身体状況をしっかりと観察して、適切に麻酔薬を投与し、患者さんの安全を確保しなければいけません。

手術や全身麻酔という攻撃から患者さんの命を守るために、適切な状態を保つのが麻酔科の任務です。
手術になくてはならない、重要な役割を担っています。

術前術後の仕事

麻酔科医は手術中以外にも、さまざまな仕事を行っています。
手術が行われる前日などに患者さんを診察し、全身の状態を観察した上で患者さんに最適な麻酔法を選び、滞りなく準備を行う前準備も大切な仕事です。

そして術後も、患者さんは激しい痛みに耐えていますから、手術で使った麻酔薬の影響などを考慮しながら、痛み止めの量などを決めて患者さんの苦痛を和らげるためのケアも行います。

このほかにも集中治療部で治療を受けている重症患者さんの全身管理や、病棟の患者さんに対する人工呼吸器の管理なども麻酔科の仕事です。

ペインクリニック外来を併設する麻酔科も

近年ではぺインクリニック外来を併設する総合病院や、ペインクリニック専門の診療所も増えてきました。
麻酔や痛みに関する優れた知識や技術を生かし、がんの疼痛や神経痛などさまざまな痛みに苦しむ患者さんに対して、鎮痛薬や神経ブロックを処方して、患者さんの痛みを軽減するのがペインクリニックです。
このような診療も、麻酔医の仕事となります。

心臓血管外科

心臓や血管を扱う外科

心臓血管外科は、心臓や血管の手術を行う診療科です。
心筋梗塞や心臓弁膜症、大動脈疾患、先天性の心疾患などの手術を行いますが、循環器内科と連携しながら、患者さん本人や家族と十分に話し合った上で、どのような治療を行うのかが決められます。

心臓や血管は命の源です。
大手術になることも多く、リスクもありますから、患者さんは大きな不安を抱えています。
手術が成功するかどうかといった不安の他にも、入院費用や腕のいい先生に執刀してもらいたいなど、さまざまな不安や疑問を抱えています。
これらの不安を少しでも和らげるために、心臓神経外科の医師は患者さんに対してどのような手術を行うのか、手術をするとどのように症状が改善するのか、そしてどんなリスクがあるのかなど、十分に納得のいく説明を行う必要があります。

外科手術の実績数、優れた手技と知識はもちろんのこと、医師や看護師など信頼できるスタッフが揃っており、患者さんとスタッフがしっかりとコミュニケーションがとれる診療科であることが求められます。
特に近年では高齢化に伴って、免疫力が低い高齢者や人工透析を受けている人など、手術そのものがハイリスクとなる症例が増えています。
心臓病以外に肝臓や腎臓、肺機能、内分泌の異常のような合併症があると、各合併症に詳しい知識をもつ医師がいる総合病院や大学病院での治療が必要となるケースも少なくありません。

チームを組んでよりよい医療サービスを提供

重症の患者さんが多いので、医師を中心としたさまざまなスタッフが医療チームを組んで治療に当たるのが一般的です。
合併症のある患者さんに対しては、特にICUなど術後は集中治療室で治療を受けることも多く、院内連携が優れた病院を選ぶことも大切です。

いざというときのために、病院の心臓血管外科のホームページや口コミなどを調べておきましょう。
最近では雑誌などで、技術力の高い病院を紹介していく特集が組まれることも多くなりました。
少しでも多くの情報を収集しておきたいですね。

また、下肢静脈瘤のレーザー治療が保険診療で受けられるようになったので、最近では下肢静脈瘤を専門に治療するクリニックも増えています。
心臓病などの大きな疾患は総合病院など大きな病院が担当しますが、レーザー治療など比較的簡単な治療が可能な下肢静脈瘤はクリニックが行うといった、分業化が進んでいるともいえますね。
下肢静脈瘤の治療は日帰りが可能な、比較的簡単な手術にはなりますが、血管の手術であることには違いありませんし、麻酔も使用します。
たとえ日帰り治療であっても、確かな技術と知識、経験のあるクリニックを選ぶようにましょう。

脳神経外科

神経系の手術を行う脳神経外科

脳神経外科は脳や脊髄、末梢神経系、それらに付属する血管や骨、筋肉等を含む神経系全般の疾患のうち、手術など外科的な治療を行う部門です。
脳や脊髄などに発生した腫瘍や、脳動脈瘤などの脳血管障害などを扱います。
神経はとても複雑かつ緻密に連携している組織ですから、手術など高度な医療技術が求められる診療科です。

主な疾患は脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血といった脳の血管の病気のほか、頭痛、脳腫瘍、脳挫傷など頭のケガにも対応します。

日本は優れた脳神経外科医が多い国

現在、医学は急ピッチで進歩し、これまでは手術が必要だった病気でも、今では手術をせずに治療できるようになっている病気もあります。
その一方で、かつては手術では治らなかった病気でも、医療技術の進歩で手術をすれば治るケースも増えてきました。

脳神経に対する治療は古くから行われていますが、わが国で脳神経外科の専門性が特に高まってきたのは交通事故の発生が社会問題となった昭和40年頃です。
交通事故で頭に重篤なケガを受ける人が急増し、大学病院に脳神経外科が設置されるなど、脳神経外科を設けてこれに対応する救急病院が全国で次々に開設されました。

昭和41年には脳神経外科認定医制度が発足し、多数の専門医が誕生しています。交通事故による外傷がきっかけで全国的に増えた脳神経外科ですが、外傷だけでなく脳卒中などの疾患にも対応するようになりました。
現在の日本では、国内のどの脳神経外科でも脳卒中の治療を行っていますが、医療先進国である米国であっても脳神経外科の数は少なく、急性期のくも膜下出血の患者さんを、数百キロも離れた病院に運ばなければならない地域もあります。
日本は世界的に見ても、優れた技術をもつ脳神経外科医が多い、恵まれた国だといえるのです。

脳は酸素を大量に消費する器官で、全身の20~25%を占め、子どもの場合は50%にも上ります。
脳に送る血流も全身の約15%が必要となり、血液が滞れば数秒で意識を失い、数分で脳の神経細胞は死んでしまうため、迅速な処置や治療が不可欠です。
緊急かつ複雑な手術が必要となることが多いので、X線によるサイバーナイフを使った治療やMRI、MRA検査など最先端機器が導入されているのも特徴で、常に新たな医療技術が開発されています。

特に脳機能の大きな特徴として挙げられるのが、一度死んでしまった神経細胞は生まれ変わることはないという点です。
このため一命をとりとめても後遺症になる事も多く、神経細胞の再生治療について研究がされています。
死滅した神経細胞の再生など新たな医療法が確立して、脳疾患の死亡率が下がり、後遺症が残りにくくなる時代が来るかもしれませんね。